シーズとニーズ志向の違い(マーケティング用語の意味を解説)

シーズとニーズの言葉の違いから、マーケティング戦略の考え方までを説明します。

シーズとは?

シーズ(Seeds)とは、企業が持っている新しい技術・材料・サービスなどのことです。
まだ世の中に出ていないビジネスの種です。

人々に新しい価値を提供し、ビジネス構造すら変える可能性を持っています。

シーズは、世の中の問題を解決する新しいものであることもあれば、
必要性のあるものではないけれど、ライフスタイルを変革したり、新しい驚きや感動を与えて人々に必要とされるようになるものもあるでしょう。

こうなれば、消費者はその商品・サービスに対して、「ウォンツ」を持つようになります。
ウォンツ(Wants)とは、顕在化していない消費者の欲求です。

世の中の問題を新しく解決してくれるものならば、それはいつしかニーズを満たす商品やサービスになるかもしれません。

ニーズとは?

ニーズ(Needs)とは、消費者が求めているもの、需要です。
この場合、消費者が欲しいものは、具体的に顕在化しています。

分かりやすく言うと、食品・車・携帯電話など。
今では、携帯電話はニーズ商品と言えるでしょう。

これらは、世の中に当たり前にあるものですよね。
そして、無いと困ります。

都内の人には車は必要とはいえないかもしれませんが、
田舎では車がないと、満足に移動もできず、通勤も買い物もできない、なんてことになるでしょう。

シーズ志向とニーズ志向の違い

シーズ志向とは、世の中に新しい価値を提供して、市場を自ら作っていくスタイルのことを指します。

ニーズ志向とは、すでに顕在化しているニーズを満たす商品を作り、市場へその商品・サービスの優位性をアピールして、売っていくスタイルのことを指します。

「起業家」と呼ばれる人の中でも、上記のどちらかに分かれますし、どちらもやっている人もいます。

例えば、Googleは、新しい価値を作ることでビジネスを拡大している企業です。
「Google Glass」や「自動操縦車」などの開発は、シーズ志向の典型ですよね。

ニーズ志向のビジネスをしている企業では、例えば、低価格スマートフォンを作っている中国企業などが当てはまりますね。
すでに携帯電話というニーズのある商品に対して、競合よりも安く、高機能で売っていくスタイルです。

まとめ

シーズ志向の企業には、世の中の流れを読む力、新しい時代を作るマーケティング力、新規開発にリソース(人・モノ・金)を回せる資金、などが必要になります。

大きな資金がかかるので、回収するまでにも時間がかかります。
ただ、市場を独占したり、先駆者として優位なポジションを維持できたりするので、新規事業開発として取り組む企業も多いでしょう。

ニーズ志向の企業には、今よりももっと良いものを提供できるアイディアや改善力が必要でしょう。
基本的に、基礎研究や新規開発投資の資金が必要ではないため、売上と利益を作りやすいビジネスと言えます。

大企業では、どちらにも取り組み、どちらも行っていくことが大切になります。

今の時代は、インターネットの発達とグローバル化で世界中から資金を集められるようになったので、シーズ志向で立ち上げられた企業が一気に大企業となることも増えると思われます。

あなたはどちらの方向性からビジネスを作っていきますか?