フィリピンは、東南アジアの一国として大きな経済成長を続けています。
首都圏では、多くの新しいビルやコンドミニアムが建設ラッシュで、誕生しています。
陽気な国民性、南国の熱帯気候、そんなフィリピンの魅力に取りつかれ、フィリピンに住む日本人もたくさんいます。
では、フィリピンでインターネットビジネスをすることは、チャンスなのか、無謀なのか、考えていきます。
急増する人口と若い平均年齢
フィリピンの現在の人口は、約1億人。
2050年には、1億5000万人まで増加すると予想されています。
この数字は、他の東南アジアや発展途上国と比較しても大きな増加率で、フィリピンのポテンシャルといえます。
人口増加は、経済成長において欠かせませんから、人口を魅力に感じる方は多いでしょう。
そして、平均年齢は23歳。
日本より20歳以上若いです。
街中を歩けば分かりますが、店員や歩いている人も若い人が圧倒的に多いです。
フィリピンでは、法律改正により今後変わっていきますが、16歳で高校を卒業し、20歳で大学卒業です。
そのため、若い人が余計に多く働いているように見えます。
インターネットの利用状況・普及率
インターネットの普及状況(2013年)は、37%。
まだまだ高いとは言えない数字です。
ただ、首都圏では、フリーwifiが飛び交い、多くの人たちがスマートフォンやフィーチャーフォンをもって、インターネットへアクセスしています。
さらに最近は、フィリピン発のスマートフォンメーカー「Myphone」も出てきて、格安スマートフォンが一般人へのスマホ普及率を引き上げています。
Facebook、Youtube、最近ではLINEなどが多くの人たちに利用されています。
まだまだ低いインターネット広告費の占有率
これまでの状況を聞くと、インターネットビジネスは熱い!と思う方もいるかもしれません。
しかし、まだフィリピンのインターネット広告費は、全体のたった1%。
テレビの比ではありません。
多くの広告費が未だにテレビへと傾けられています。
その原因としては、色々なことが考えられます。
まず、「①所得の低さ」が挙げられます。
フィリピン人はまだまだ所得が低いです。
1人当たりのGDPは、3,000ドル弱。
インターネットでお金を使うほどの財力がありません。
インターネットは無料で使っている人が多く、そこでお金を使おうという意識は高くありません。
次に、「②インターネット広告費を使える企業の少なさ」が挙げられます。
インターネット広告費を使える中小企業があまりいません。
フィリピンの中小企業は、日本企業とは比べ物にならないほど、弱い存在です。
そのような企業では、インターネット広告費を使いこなす財力も、能力も不足しています。
まだ大手企業が、マス広告的に使いこなしている事例が多いです。
そして、「③インターネット上でお金を使わない」が挙げられます。
クレジットカードの普及率は、まだ約3%で、所得も高くありません。
さらにインターネットでモノを購入して、本当に届くのか大丈夫かという信頼性も問題としてあるのではないかと思います。
もしインターネットでお金を使うとすれば、所得が高いマニラ首都圏のみです。
マニラ首都圏には約1,000万人いて、周辺も合わせれば約2,000万人います。
さらにマニラ首都圏の1人当たり平均GDPは、約10,000ドルです。
マニラ周辺の市場がもっとも可能性があると言えます。
フィリピンで流行しているインターネットビジネス
多くはありませんが、フィリピンでインターネットサービスを行う企業としていくつか流行しているものがあります。
※Facebook、Youtube、LINE、Googleなどはグローバル企業でフィリピンでも多くの人に使われています。
フィリピンならではのWebサイトをいくつかご紹介します。
①LAZADA
LINE Philippinesから送られてくる広告は、ほとんどこのサイトのものです。
Eコマースでは、かなり勢いよく広告を使っています。
インドネシアのEコマースベンチャー企業で、100億円超の大規模資金調達も行い、さらなる成長を遂げようとしています。
②Metrodeal
ヨーロッパにいた元グルーポン社員(フィリピン人)が帰国後に立ち上げたサイトです。
フィリピン現地では、グルーポンを押さえ、一番のシェアを誇っています。
こちらのサイトは、認知度も高く、多くのフィリピン人が利用しています。
「クーポン」というのもフィリピン人と相性が良いかもしれませんね。
③ABC-CBN
フィリピン最大級のメディアサイト。
フィリピン有数の名家、ロペス一族が運営する企業で、テレビ・ラジオなども経営しています。
フィリピンに進出しているIT企業
フィリピンに進出しているIT企業は、大きく2つに分かれます。
・オフショア開発先や、アウトソーシング先としてフィリピンに進出し、海外から稼ぐ企業。
・現地でサービスを展開し、現地で稼ぐ企業。
大規模にビジネスを展開し、収益化に成功しているのは、前者が多いでしょう。
日本のIT以外の大企業もたくさんアウトソーシング先として進出しています。
例えば、NEC・EPSONなど。
フィリピンのインターネットビジネスはチャンス?無謀?
レアジョブなど、フィリピン人の人件費の安さに注目して、サービスを展開し成功している企業は多数あります。
しかし、現地で収益化しようとしている企業は、苦戦を強いられているところが多いです。
そもそもフィリピンだから難しいというより、海外で外国企業と本気で戦うことになるため、
海外での事業展開は、簡単ではありません。
日本では、日本人であることがメリットですが、海外ではそうではありません。
現地で事業を成功させたい方は、コネクションを作りながら、現地に精通した人と情報交換して始めていくことをお勧めします。
インターネットから日本人の集客を考えている方は、お手伝いできますので、ご相談ください。